ペロブスカイト型酸化物磁性体・超伝導体のMBE成長とデバイスへの応用
(平成7,8年度科研費重点領域研究「モット転移」、平成8年度科研費奨励研究)
- Bi系高温超伝導体は、臨界温度(Tc)110 Kを持ち、大気中で安定であるという特徴を持つが、その結晶成長の難しさから
良質の薄膜を得ることが困難であった。当研究室では、分子線エピタキシー(MBE)法により、原子・分子レベルでの結晶成長
を行い、良質の薄膜の作製に成功した。さらに、その薄膜を用いて粒界型ジョセフソン接合の作製及び評価をおこなってきた。
その結果、Bi系を用いたこの型の接合において初めて、交流ジョセフソン効果を確認している。
現在、Bi系特有のイントリンジック(固有)ジョセフソン効果を用いたデバイスをめざす研究、および、磁性体から超伝導体へのスピン注入の研究を進めている。
最近、FIB加工したパターン基板を用いることによりBi系超伝導薄膜(2212)において、ファセットが見られるような結晶性のよい微細構造を作製することに成功した。