●半導体の薄い試料(両面研磨:厚さt)が得られるならば、分光透過率(光透過率スペクトル)T(λ)と分光反射率スペクトルR(λ)を測定します。
T(λ)に対して、次式で吸収係数α(λ)を求めます。
T(λ)={1-R(λ)}
2 exp{-α(λ)t}
波長λに対する吸収スペクトルα(λ)を光子エネルギーEについてのスペクトルα(E)にプロットし直します。
(1)もし、半導体が直接遷移型であれば、{α(E)E}
2をEに対してプロットしたとき、直線になりますから、
その直線の延長がエネルギー軸を切るときのエネルギーEがバンドギャップEgです。
(2)もし、半導体が間接遷移型なら、{α(E)E}
1/2をEに対してプロットしたとき、直線になりますから、
その直線の延長がエネルギー軸を切るときのエネルギーEがバンドギャップEgです。
直接遷移型、間接遷移型とは何か調べてみよう。
直接遷移型、間接遷移型のスペクトルのプロットを予習しよう。
●薄い試料が得られないとき、粉末など多結晶体の試料しか得られないときには、
(1)フォトルミネッセンスでバンドエッジに関与した自由励起子や束縛励起子の発光線が得られるならば、そのエネルギー位置に束縛エネルギーを加えることでバンドギャップを推定します。
(2)光らない試料の場合、光伝導スペクトル(PC)や光音響スペクトル(PAS)、
光熱偏向スペクトル(PDS)などから推定します。