電子物性工学II期末テスト (佐藤勝昭教官) 1999.2.12
問題と標準解答
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σ=0.8 [Scm-1], ρ=1.25[Ωcm]
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R=ρl/S=1.25[Ωcm]×10×10-4[cm]/2×10-8[cm2]=6.25×104[Ω]
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半導体は低温になるとキャリア密度が指数関数的に減少するため高抵抗になる
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μ=eτ/m*
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紫外線は蛍光体の発光中心に吸収され、発光中心を励起状態にする。この励起状態から基底状態に緩和するとき、そのエネルギー差を可視光線の光子として放出する。この現象をフォトルミネセンスとよぶ。吸収と発光の間にはストークスシフトとよばれるエネルギーの違いがあるため、励起光より低いエネルギー(すなわち長い波長)の光が放出される。
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人間の網膜にある視細胞には、赤、緑、青に感じる3種類の細胞があり、それぞれ、の感度曲線は広い波長領域にわたっている。光の波長ごとに、これらの3つの細胞を刺激する割合が異なっており、刺激の割合に応じて異なった色として感じる。
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シリコンにおいては、可視光線の領域の光を吸って直接遷移が起きる。この遷移強度は大きいので吸収が強い。また、強い吸収によって誘電率も大きくなっており、その結果屈折率も大きい。反射率Rは{(1-n)2+κ2}/{(1+n)2+κ2}で表され、屈折率n,吸光度κが大きいとRは大きくなる。
[解答]
可視光のうちもっとも短い波長は380 nmである。これに対応するエネルギーは3.26eVである。可視光で透明ということは、Egは3.26 eV以上であるといえる。
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金色とは、緑より長い波長の光の反射率が非常に高い場合をいう。人間の目には赤・橙・黄・緑の光が合成され黄色に見えるが、反射率が高いため、周りのものが写り込んで複雑な色を示す。
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永久磁石の磁界によってクリップは磁気飽和する。いったん磁気飽和したあと磁界を減少しても、もとの磁化曲線をたどらず、磁界をゼロにしても残留磁化という状態になっている。これが磁気を帯びた状態である。
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キュリーワイスの法則
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鉛は第1種の超伝導体であり、臨界磁界も800G程度と小さいので、コイルをつくると発生した磁界によって超伝導が破れ、常伝導に転移してしまうため電磁石を作れない。
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超伝導において電流を運ぶクーパー対はボース粒子であり、超伝導状態とはボース凝縮の起きた状態である。このため超伝導状態は巨視的な位相をもち、接合をつくり磁界などで位相差を与えると干渉が起きる
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例えば、ジョセフソン接合を用いた量子干渉磁束計などをあげればよい。
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臨界温度が90K-130Kであり、液体窒素の沸点(77K)より高温。それまでの超伝導体を臨界温度以下にするのには液体ヘリウムが必要であったが、資源が少なく価格も高かった。これに対し液体窒素の原料である窒素は無尽蔵にあるので、値段も安く超伝導の実用価値が高まったためである。
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光の電界により励起状態から基底状態に遷移しエネルギー差を光子として放出。反転分布をつくると、吸収より放出が増え正味の誘導放出が起きる。
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屈折率の大きな物質から小さな物質に光が入射するとき入射角が臨界角を超えると透過せず全反射する。
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物質中において光が距離とともに減衰する割合がその位置における光量に比例するとき、比例係数を吸収係数という
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自由電子の集団運動によりプラズマ周波数以下で誘電率がε=1-ωp2/ω2で表されるときドルーデの法則という。
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従来の磁気ヘッドは、記録媒体からの漏洩磁束を拾って磁気誘導現象でその変化を電気信号に変換していたが、磁気抵抗ヘッドでは磁化による物質の抵抗変化を利用して磁気信号を電気に変換する
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磁区と磁区の境界で磁気モーメントが徐々に変化していく領域のことをいう
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超伝導状態にある物体から磁束が排斥される現象。反対向きの磁化が誘起されたと見ることができる
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超伝導電流を運ぶ準粒子。互いにスピンと波数の逆向きの2つのキャリアが対を作っている。これにより散乱を受けない。
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