エレクトロニクスII 佐藤勝昭教員 金曜1限94番教室 2003年度第7回配付資料03.11.21

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教科書:竹村裕夫著「電子回路の基礎」(コロナ社)


実用エレクトロニクスコーナー第3回
TVシステムとディスプレイ(3)
受像器の仕組み

      テレビジョン受像機では、伝送されてきた信号から音声信号(音声多重信号)と映像コンポジット信号を分離、次にコンポジット信号からから、同期分離回路で水平同期信号HD、垂直同期信号VDを、カラー分離回路でカラー信号I, Qと輝度信号を分離する。I, Q信号とY信号からマトリクス回路でR,G,B信号が復元される。

      I信号の帯域は1.5MHz, Q信号の帯域は0.5MHzなので、細かいところには色が付かない。

カラーTVブロックダイアグラム

 

さまざまなディスプレイ

      走査線にそって送られてきたR,G,Bの映像信号によって各画素のR,G,B成分の光量を変化させ画像として表示する。

      ディスプレイには、ブラウン管(CRT),液晶ディスプレイ(LCD),プラズマディスプレイ(PDP),エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD), 電界放出ディスプレイ(FED) などがある。

      今回は、CRTについて述べる。

 

CRTの原理

      電子銃からの電子ビームを1万V位の高電圧で加速、シャドウマスクを通して、蛍光スクリーンの蛍光体を励起

      CL(カソードルミネセンス)を利用

 

アパーチャグリル方式CRT

 

復習コーナー:トランジスタの特性
(1)VBE-IB特性

VCEを一定にしてVBEを変化させるとVth=0.6V付近から急激にベース電流が増加する。(ダイオードの順方向特性と同じ)

(2)VCE-IC特性

IBをパラメータとしてVCEを変化させるとコレクタ電流ICが増加し、VCEが大きくなるにつれ飽和する。飽和電流値はIBの関数である。

(3)IB-IC特性

VCEを一定にしてIBを変化させるとコレクタ電流ICが直線的に増加する。これを電流伝達特性という。ICIBの比を電流増幅率hFEという。エミッタ接地の場合はb と表される。

トランジスタの最大定格

VCB, VCE, VEB, IC, IBの最大値の他、コレクタ損失Pc=VCE×ICの最大値(許容コレクタ損失)が重要である。VCEICが定格内でもPCが許容コレクタ損失を超えると、発熱のため暴走し破壊に到る。

また、接合の温度TJにも最大許容値があり、これを超えると破壊される。

 

トランジスタ回路

3つの接地方式

エミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地

エミッタ接地回路

最もよく用いられる回路:トランジスタ回路の基本

信号の入力:ベース・エミッタ間

信号の出力:コレクタ抵抗の両端
(交流信号に対しては、コレクタ・エミッタ間)

 

エミッタ接地の動作点を決める(教科書p.28

VBE-IB特性とベース回路の負荷曲線からグラフを利用して、ベース回路の動作点を決める。

VCE-IC特性とコレクタ回路の負荷曲線からグラフを利用して、コレクタ回路の動作点を決める。

 

エミッタ接地回路の動作点

上図のような特性のトランジスタで左図のような基本回路を組む。動作させるには、BE間に順方向、CB間に逆方向の電圧を加える。

 

動作点の決め方(1)ベース回路

E1R1(ベース抵抗)BEを一巡する経路にキルヒホッフの法則を適用。

E1=R1´IB+VBE これよりIB=E1/R1-VBE/R1

E1=1.5V, R1=22kW代入 IB=68-45VBE [mA]

トランジスタのVBEIBの間には図のエミッタ特性が成立する。

負荷線とエミッタ特性の交点が動作点K

IB=40 [mA], VBE=0.65[V] が得られる。

 

動作点の決め方(2)コレクタ回路

E1R2(コレクタ抵抗)CEを一巡する経路にキルヒホッフの法則を適用。

E2=R2´IC+VCE これよりIC=E2/R2-VCE/R2

E2=6V, R2=0.33kW代入 IC=18-3VBE [mA]

一方トランジスタのVBEIBの間には図のコレクタ特性が成立する。ベース回路よりIB=40[mA]である。

ベース電流40 mAに対するコレクタ特性と、負荷線の交点から、IC=8[mA], VCE=3.3Vを得る

 

実用回路でまなぶ
2石トランジスタラジオ (1)配線図

      トランジスタ技術編集部編「実験と工作で学ぶ初めてのエレクトロニクス」 CQ出版社2001年より

2石ラジオのブロックダイアグラム

 

問 動作点を決めよう

         (a)に示すベース特性、図(b)に示すコレクタ特性をもつトランジスタの動作点を決めたい。電源電圧VCC=10Vとする。

1.          いま、R1=0.25MWとして、ベース電流Ib[mA]とベース・エミッタ間電圧VBE[V]の間になりたつ関係式を書け。

2.          (a)に負荷線を書き込み、動作点VBE[V]Ib[mA]を決めよ。

3.          いま、R2=0.5kWとして、コレクタ電流Ic[mA]とコレクタ・エミッタ間電圧VCE[V]の間になりたつ関係式を書け。

4.         (b)に負荷線を書き込み、動作点VCE[V]Ic[mA]を決めよ。

(配布したプリントではR2=5kWになっていましたが修正しました)



学籍番号

氏名

メールアドレス(y+学籍番号以外のアドレスをお持ちの場合)

これまでに登録した人は不要です(BCCで連絡します)

 

 

 

 

 

 

1 動作点を決めよう

         (a)に示すベース特性、図(b)に示すコレクタ特性をもつトランジスタの動作点を決めたい。電源電圧VCC=10Vとする。

1.        いま、R1=0.25MWとして、ベース電流Ib[mA]とベース・エミッタ間電圧VBE[V]の間になりたつ関係式を書け。

2.        (a)に負荷線を書き込み、動作点VBE[V]Ib[mA]を決めよ。

3.        いま、R2=0.5kWとして、コレクタ電流Ic[mA]とコレクタ・エミッタ間電圧VCE[V]の間になりたつ関係式を書け。

4.        (b)に負荷線を書き込み、動作点VCE[V]Ic[mA]を決めよ。

1.ベース電流についての関係式

 

2.(a)から決めた動作点

VBE

IB

3.コレクタ電流についての関係式

 

4. .(b)から決めた動作点

VCE

IC

問題2 アンケート

実用エレクトロニクスコーナーについての感想

興味を持った点

 

わからなかった点

 

もっと知りたい点

 

今回学んだトランジスタ回路の動作点について

 

手続きはわかりましたか

 

実際に役立ちそうですか

 

わからなかった点

 

その他質問なんでも